妊活中、不妊治療中に飲める風邪薬は?

【薬剤師が解説】妊活中、不妊治療中に飲める風邪薬は?

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chiaki

こんにちは!
卵質改善コンサルタント薬剤師のchiaki(プロフィールはこちら)です^^

「妊活中に風邪薬を服用しても大丈夫でしょうか?」

妊活中や不妊治療をされている方から、よく質問されることがあります。

「どうして気になったんですか??」と伺うと、

風邪薬を飲むと妊活にはよくない!

という記事をネット見て、心配になって質問される方が大半です。

そこで今回は、妊活中や不妊治療中に風邪薬を飲んでも大丈夫なのか?

薬剤師の立場から解説したいと思います。

そもそも風邪薬とは?

風邪薬といっても、薬局で販売されている市販薬にはたくさんの種類があります。

  • 咳止め
  • 鼻水を抑える
  • 解熱鎮痛
  • etc…

薬によって効果も様々です。

これらの風邪薬の中でも、妊活や不妊治療に影響があると懸念されているものは

解熱鎮痛作用があるものになります。

解熱鎮痛作用がある市販薬で、有名なものは、

  • ロキソニン
  • イブ
  • ボルタレン
  • バファリン
  • カロナール

などです。

解熱鎮痛剤の特徴

風邪をひいて発熱したり体に痛みがでるとき、体の中では様々な反応が起こっています。

分かりやすく説明すると、

発熱のメカニズム

①ウイルスが体内に侵入すると、免疫細胞がウイルスを攻撃します。このとき、サイトカインという物質が放出されます。

②放出されたサイトカインが脳に達すると、 脳はプロスタグランジンという物質の生成を促進する指令を出します。

③生成されたプロスタグランジンは、脳に達すると視床下部の体温調整中枢に作用して、脳から体温を上げるように指令が出されます。

プロスタグランジンが生成されることで、痛みや発熱が起きるということは、

プロスタグランジンの生成を抑制すれば、痛みや発熱が軽減されるということ。

もうお気づきになったかもしれませんが、解熱鎮痛薬と呼ばれている薬は、

プロスタグランジンが生成される過程を阻害する作用があります。

その結果、解熱鎮痛効果がでてくるのです。

これだけ聞くと、とても良い薬だと思うのですが、

妊活や不妊治療を考えた場合は少し懸念することもでてくるのです。

解熱鎮痛薬が妊活に与える影響

発熱や痛みを抑えるためには、プロスタグランジンの分泌を抑制すればいいとお話しました。

解熱鎮痛剤の成分によって、プロスタグランジンの分泌が抑制されますが、

同時に妊活や不妊治療で懸念される副作用が2つあります。

①血管拡張作用が阻害される

解熱鎮痛剤に含まれる成分が血管拡張作用を阻害します。

血流が悪くなりやすくなると、

  • 卵巣に血液が届きにくくなるため、卵子に栄養が届きにくくなる。
  • 子宮に血液が届きにくくなるため、フカフカな子宮が作りづらくなる。

ということが懸念されます。

②卵胞の成熟と排卵の抑制効果

プロスタグランジンは、炎症が発生している部位だけでなく、

生理が終わり排卵が始まる前の卵胞内にも分泌される物質です。

このプロスタグランジンは、卵胞の成熟促進と排卵の促進にも関与しています。

このため、解熱鎮痛薬によってプロスタグランジンの生成が抑制されると、

卵胞の成熟や排卵が間接的に抑制されてしまい、

一時的な不妊に関与する可能性があると言われています。

ただし、この解熱鎮痛剤の効果はそんなに長くありません。

ほぼすべての解熱鎮痛剤は1日もあれば効果はなくなります。

ですので、

妊活中に風邪薬を服用しても大丈夫でしょうか?

という質問に対する回答として、私は、

「短期的な使用なら問題ないが、長期的な使用は避けたほうが良い」

とお答えしています。

長期服用が必要な方、排卵前に服用が必要な場合

  • 持病があって常に痛みがあるため、鎮痛剤を服用しないと日常生活ができない
  • 排卵前だけど頭痛があり、鎮痛剤を使用しないと辛い

という場合に、どうしても長期的に服用しなければいけない方もいらっしゃいます。

その場合はアセトアミノフェン(商品名:カロナール)がおすすめになります。
アセトアミノフェンは、他の解熱鎮痛剤より作用がマイルドで妊娠中にも服用が可能な薬です。

ただし、このアセトアミノフェンも持病によっては避けていただきたい場合もあります。
※持病のお持ちの方はかかりつけの医師、もしくは薬局の薬剤師に確認してください。
※不育症、血液凝固因子を指摘されバイアスピリンを服用されている方は、バファリンが同成分配合されていますので、避けていただく方がよいです。

まとめ

妊活、不妊治療中の風邪薬服用に関してまとめると、

  • 風邪薬の中でも解熱鎮痛作用のある薬は妊活、不妊治療中は気に止める必要がある
  • 解熱鎮痛剤がプロスタグランジンの生成を抑制することで発熱や痛みが抑えられる
  • プロスタグランジン生成を抑制する副作用として、①血管拡張の抑制、②卵胞の成熟と排卵の抑制が起こりうる
  • ほぼ全ての解熱鎮痛剤は1日もあれば効果が消えるので、短期的な服用であれば問題なし
  • 長期的な服用が心配な場合、作用がマイルドなアセトアミノフェン(商品名:カロナール)がオススメ

となります。

 

妊活、不妊治療中の方なら、誰でも市販薬の影響は気になる所だと思います。
ネットの情報を見ても良くわからない。情報が多すぎて調べられない。
また、この薬やサプリの妊活への影響を知りたい、といったリクエストなども
気軽にこちらから質問してくださいね。

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